コロナ後遺症 Long Haul Covid
コロナ後遺症とはコロナ感染後、他疾患で説明がつかない数週間以上続く不調です。欧米でいうところのコロナ後遺症は、コロナ感染後の不調とワクチン接種後の不調の両方を含みます。英国の大規模スタディによると、コロナ後遺症は200種類の症状と10の臓器や器官が関わります。コロナ後、3分の1の人は何らかの後遺症を起こします。
コロナ後遺症の主な症状はブレインフォグと疲労です。ほかにも味覚嗅覚異常、動悸、咳、息切れなどの呼吸器症状、食欲不振、不眠、脱毛、POTS(体位性頻脈症候群)、しびれ、全身、胃腸障害、泥状便、お腹のガス、腹痛、月経異常、不妊などさまざまな症状の報告があります。ブレインフォグは文字通り頭にもやがかかったように集中できなくなり、気分の落ち込み、忘れっぽい、めまい、頭痛の症状です。脳と神経領域は、睡眠障害、脳の萎縮、耳鳴り、急性壊死性脳症、脳炎、末梢神経障害(ギランバレー症候群やしびれ)、自律神経失調症などがあります。また後遺症として帯状疱疹の再発、クロイツフェルトヤコブ病、エブスタインバーウイルス発症(EBウイルス)もあります。帯状疱疹の罹患率が増えているのはコロナ後遺症のよる免疫低下のせいです。
コロナ後遺症の病態の鍵となるのが「スパイク蛋白」です。研究報告によると、コロナ感染とコロナのワクチンとどちらもスパイク蛋白が体に作用するそうです。
治療はスパイク蛋白が引き起こした慢性炎症、免疫調整そして微小血栓対策です。スパイク蛋白が標的とする組織や臓器も考慮します。
血管内皮細胞がスパイク蛋白のターゲットになるので血管の内側の壁に持続的な炎症が起こります。流れている血液が炎症のせいで血小板が集まり、凝固しやすくなり、微小血栓を起こすリスクが高まります。微小血栓は気管支、肺胞、脳、心臓でも頻繁に起こります。
この病態に適している対策法は点滴のオゾン治療です。他は免疫、再生治療、栄養療法などを組み合わせます。
コロナ後遺症対策のうち、最も大切なことは基礎疾患のケアです。糖尿病や高血圧といった基礎疾患のことだけを指しているわけではありません。診断名がついていようがいまいが、体調が元々すぐれない方は基礎疾患を持っています。例えば、水銀や鉛などの長期にわたる重金属中毒、自己免疫異常、膠原病、全身のカンジダ感染、エーラスダンロス症候群、機能性ディスペプシア、小腸最近異常増殖症(SIBO)、過敏性腸症候群、リーキーガット、過敏性腸症候群、慢性のライム病感染、リーキーブレイン、エーラスダンロス症候群、化学物質過敏症などが基礎疾患の一例です。これらの共通点は慢性炎症、ミトコンドリア機能不全、毒の過剰な負荷、免疫異常です。慢性炎症や免疫異常が静かに進行している病態にスパイク蛋白が全身の細胞に侵入するので、重症になりやすくなり、様々な対策を行なってもなかなか良くなりません。慢性炎症の基礎疾患の有無を確認して、もし有りならば基礎疾患を治すことを検討します。
治療法
コロナ後遺症の方全員が確認必要なこと
慢性炎症の基礎疾患の有無
点滴治療
- オゾン治療
- ダイナミックフォトセラピー(オゾンとUVの組み合わせの治療)
- 再生医療・エクソソーム治療(胎盤または臍帯由来の間葉系幹細胞のエクソソーム)
- 幹細胞培養上清(免疫調整、細胞修復、抗炎症)
- ナチュラルキラー細胞治療(免疫強化)
- 高濃度ビタミンc
- メチレンブルー(ミトコンドリア修復、神経伝達物質正常化、抗ウイルス、抗炎症)
内服薬の免疫調整
- マクロファージの治療 GCMAF製剤
- プロバイオティクス
- 亜鉛
- CBDオイル
- ビタミンD3
- DHA・EPA
- NMN, NAD+(メチレンブルー治療と併用)
- 副腎疲労のためのホルモン補充
- メラトニン(松果体ホルモン)
- LDN 低用量ナルトレキソン
参考文献
Parry PI, Lefringhausen A, Turni C, Neil CJ, Cosford R, Hudson NJ, Gillespie J. ‘Spikeopathy’: COVID-19 Spike Protein Is Pathogenic, from Both Virus and Vaccine mRNA. Biomedicines. 2023 Aug 17;11(8):2287.