【COVID19の私見、予防と治療】

COVID19の私見、予防と治療

日本のコロナニュースは、毎日の陽性患者数と死亡数が中心で一体何が起こっているかわかりにくいので、新型コロナウイルスの正体、再び陽性になるケース、入院患者の経過、なぜ無症状なのに肺のCTは重症肺炎像なのか、なぜ軽症者が急変するのか、など疑問を持ちながら調べました。4ヶ月という短期間で特に感染者の多いイタリア、スペイン、米国、中国、ドイツなどから医学論文が続々と発表されています。5月9日の時点で新型コロナに関する公式の論文は9800件を超えています。

まずCovid19の症状は、風邪症状、倦怠感、呼吸困難、高熱です。
味覚障害もあり。下痢、嘔吐、めまい、頭痛、けいれんもあります。

突然症状が悪化することもあります。
さらに最近は子供の川崎病症状がコロナ感染に関係しているようだという考察があります。

Covid19の原因ウイルスはSARS Cov2が正式名称ですが、ここではふだんの会話のようにコロナ(新型コロナ)にします。

まず、風邪症状、倦怠感、呼吸困難、高熱の症状でレントゲン写真で影が写るため、肺炎と診断されます。
軽症例は自宅待機ですが、中にはいきなり血中酸素濃度が低下して急変することがあります。
ニュースでも繰り返し海外の病院で人工呼吸器が足りないセンセーショナルな報道がされてきました。

最初違和感を覚えたのは、人工呼吸器を装着して酸素を投与しても、回復しない患者さんが多いこと。また、なぜか味覚障害が起こること。
無症状に近い軽症例でもレントゲン写真では影があること。実際の症状と画像の重症な肺炎像に乖離があること。
(多くの医師がインタビューで言及し、論文にも記載があります。たとえば、胸部CTで重症肺炎の若い患者がベッドでもふつうにスマホをいじって呼吸異常がない。骨折で来院した患者さん(呼吸困難の自覚症状なし)の胸部レントゲン像がコロナ様だったなどといった証言です。)

1、2月頃は肺炎と思われていましたが、日が経つにつれ、ARDSの病気ではないという指摘が増えました。
4月はCOVID19は肺炎から始まる病気ではないという考えの医師も現れました。
文献や病気の経過を総合分析すると、COVID19の病態は血液の病気だと思われます。

また、クロロキンという薬をコロナ患者に使っているチームが最も多く改善例を出しています。ヨーロッパでは3月にはコロナの主要治療薬としてクロロキンに注目が集まっていました。
抗ウイルス薬も使いますが、メインはクロロキンです。クロロキンは70年間も数百万人の患者さんに使われてきたマラリアという血液の病気の薬です。
マラリア流行地でない海外の国ではクロロキンは、ライム病やリウマチなどの膠原病にも使われる、感染症や免疫疾患の世界では歴史のある良薬です。日本ではプラケニルという名前のクロロキン剤があります。

コロナでクロロキンを投与する期間は6日と短く、抗ウイルス薬よりも高い効果と、急速な全身状態の改善と入院期間の短縮効果が発表されています。
クロロキンの危険性を話題にするのは日本と米国のメディアですが、危険な大量投与は継続して200g(=200,000mg)の薬量を摂取した場合です。
1錠200mgで、コロナ治療で必要な薬剤は6日間のプロトコールで1400mgです。(142回コロナにかかり、毎回1400mgずつクロロキンを摂取すれば危険域に達します)

3/16 にフランスの大学病院の医師DrRaoulがクロロキンのCOVID19に対する効果を発表して以来、医療の現場では、欧州、アジア各国(日本以外)でコロナ治療の主要薬になっています。
クロロキンは細胞内に入って作用する薬なので、細胞内に薬を届けるのをサポートする役割のジスロマックという抗生物質を追加するのがクロロキン単体で治療するよりも改善効果が高いこともわかりました。
クロロキンは細胞内に素早く亜鉛を送り込む、亜鉛シャトルとしても活躍し、細胞内の食細胞のPHを上げて、ウイルス量を減らします。細胞内に流入して病原体に作用するという点はイベルメクチンも似ています。
過去のSARSやMERSにも効果が証明されていることと安全性の点からも積極的に採用を考えてよい薬剤だと思います。ジスロマック+イベルメクチンの組み合わせでSARSCov2の高い治療効果を示した研究報告もあります。

Covid19の症状の味覚障害について

味覚障害のよくある原因は亜鉛不足です。コロナ感染で突然亜鉛不足になるのか、という考察は今のところ見つかりませんでした。
しかし、もともと亜鉛不足がある方はコロナの感染リスクが高くなる、という指摘はあります。一般の風邪やインフルエンザでも亜鉛不足は感染リスクが高くなります。
前述のクロロキンとジスロマックにさらに亜鉛を加えた組み合わせの治療を提唱する文献もあります。クロロキンは亜鉛を細胞内に運ぶのですから、もともと亜鉛不足があるならば理にかなった方法です。亜鉛摂取はコロナ感染予防策になります。

同じころ(私の調べた限りでは4月以降)スペイン、イタリア、ドイツの現場の医師はコロナの酸素運搬の問題に気づき、血中の酸素不足にもかかわらず人工呼吸器以外の方法でよい治療成績を出しました。
血中酸素飽和度が低い、酸素が足りない、だから早急に酸素投与だ、という流れになるのが常ですが、症例数が増えるに従い、人工呼吸器をつけて逆に悪化という症例があります。
この事実には米国の担当医も気づいています。人工呼吸器につながれてから8割が死亡するから人工呼吸器導入の効果を見直す必要があるそうです。ドイツも同様です。
また、米国の別の文献でも、酸素投与は高流入鼻カニューラのみにして、できるだけ挿管、人工呼吸器につながないようにと現場の医師が提唱しています。

人工呼吸器を使わないという意味ではありません。人工呼吸器使用が早ければ早いほどよいというわけではない、なるべく導入を遅くするほうがよいという考え方です。
ヨーロッパでは、イタリア、スペイン、ドイツでは人工呼吸器を使わない症例にオゾン治療を選択し数日で軽快しています。3カ国ともオゾン治療に慣れており、元よりオゾン治療の症例数が豊富です。イタリアのDr Bocciはオゾン治療の世界的な権威です。ポルトガルでもオゾン治療をコロナ対策に取り入れたそうです。
普段からオゾン治療を扱い慣れている臨床医医がコロナ重症患者の経過を聞けばオゾン治療が効きそうだと直感的に思うはすです。なぜなら、オゾン治療の作用は血液の2,3DPGを増やし*、G6PD酵素活性を高めて*、同時にサイトカインストームを改善*して、凝固傾向を改善*するからです。(オゾン治療のコロナ対策のメカニズムについてはまた別の機会に詳しく述べます)

決定打となる、新型コロナウイルスの正体に迫った今年2月の文献があります。コロナに感染すると体内で酸素を運ぶ力がなくなるという指摘です。ヘモグロビンの1-ベータチェーンを壊すそうです。
普通に呼吸しているのですから酸素は十分からだに入れても、その酸素を細胞に配る力が損なわれてしまうというのが、病気の本質のようです。
酸素運搬は赤血球のなかのヘモグロビンが担います。血液の流れとともにヘモグロビンという運び屋が各部署(全身の細胞)に酸素を運んで、目的地で酸素を放出してはじめて細胞が活性化し生存します。
コロナが狙いうちするのはこのヘモグロビンの構造のなかのポルフィリンというタンパク質です。コロナに感染するとポルフィリンが破壊されます。
つまり、普通に呼吸ができる健常者がコロナウイルスに感染したら、コロナは肺炎の症状を起こすよりも前に、ヘモグロビンを攻撃するので、その人が酸素を取り込んでいるのにもかかわらず、体内では酸素を運べないという現象が全身で起こってしまうのです。
酸素を運べなくなった結果が画像診断の肺炎像です。ですから呼吸困難の症状が起こるよりも前に血中酸素濃度が低くなるのです。パルスオキシメーターで酸素飽和度が低くなることはニュースでも話題にしていました。
Covid19は酸素運搬ができなくなる病気で、病態としては高山病やマラリアに似ていると指摘する医師もいます。
このウイルスは肺胞をターゲットにするよりも、本質的な人間の生命にかかわる酸素運搬能を弱めます。酸素という運ぶべき貨物はあるけれど運ぶ力がないところへ、外部から人工呼吸器で酸素を投与すると酸素過多、酸化ストレスになってしまい、よけい病状が悪化するのです。

急激な酸化ストレスで甚大な被害を受ける臓器といえば、もともとミトコンドリアを多く有する臓器です。2大臓器は心臓と脳、そして粘膜、腎臓、肝臓、内分泌臓器などが続きます。
下痢や嘔吐などの胃腸障害が起こったり、けいれんや錯乱のように神経症状が起こったり重症例は脳水腫を起こし、重症例の5人に一人は心筋梗塞で、一気に多臓器不全になる理由が見えてきます。
そこへサイトカインストームという免疫細胞の暴走状態が発生し、身体が凝固傾向になります。血の塊が血管をつまらせてしまう、血栓をつくりやすい状態になり、血栓が全身の血管で発生すると、各臓器への道も絶たれてしまうのです。

まとめると、コロナ対策では初期段階から血栓予防を取り入れ、同時に酸素運搬能を担保するのが理にかなうでしょう。
ウイルスに攻撃されるところ、「酸素運搬能」を補修して、血液の流れを維持するのが前提で、あとはウイルス本体に対する薬が効くのではないかと思います。

スペインの病院で人工呼吸器をつけず、オゾン治療を代わりに試行し、短期間で著しい改善を認めたという報告です。重症患者がオゾン治療後数日で退院に至っています。

スペイン イビザ島の医療機関のプレスリリース記事
Ozone Therapy Proving Successful In Covid-19 Patients 2020年4月
https://theibizan.com/ozone-therapy-proving-successful-in-covid-19-patients/

プレスリリースによると、「気管挿管され、人工呼吸器に接続されようとしていた多くの患者が、オゾン療法のおかげで、気管挿管を回避しただけでなく、数回の治療で酸素を必要としないまでに改善した」とのことです。

Clinic Becomes The First To Use Ozone Therapy In Spain 2020年4月
https://www.worldhealth.net/news/clinic-becomes-first-use-ozone-therapy-spain/

「われわれは臨床試験中ですが、オゾン療法はコロナに極めて有益で、患者の治療に取り入れなければならないことを世界に伝える必要があります。とコメントしています。症例数が少ない時点で医師が効果を断定するのは勇気が入ることですが、劇的な効果を目の当たりにしてcovid19の病態にオゾン療法の作用が適切だと確信したためのアナウンスと思われます。 オゾン治療法はすでにイタリアと中国で臨床試験が行われており、オゾン療法が免疫システムを活性化させるだけでなく、体内の酸素の摂取量や利用量を改善できる可能性を検証中です。 ウディネのサンタ・マリア・デッラ・ミゼリコルディア大学病院では、肺炎と呼吸不全のCOVID-19患者36人にオゾン療法を投与されたが、通常の15%と比較して、気管挿管を必要としたのはわずか3%であった。」
翻訳の出典は日本酸化療法学会から

以上現在までの情報をまとめると、治療(軽症)として、このような組み合わせが考えられます。

クロロキン、ジスロマック、亜鉛、オゾン治療(オゾン大量自己血液治療、酸素運搬能を上げるため)、メラトニン(サイトカインストーム対策)、ヘパリン(血栓対策)(SARSCov2のPCR検査を極めて早い段階で受けることができたら、早期投与でアビガンなどの抗ウイルス薬も検討します。)。またはイベルメクチン。

感染予防について

ビタミンC、グルタチオン(喉や気道の粘膜に噴射するスプレータイプ)、マグネシウムグリシン酸(酸化マグネシウムではない)、ビタミンD3、亜鉛、オゾン自己血液治療、メラトニン、プロバイオティックスなど腸内免疫対策です。

もちろん、人と距離をおくこと、禁煙、なるべく運動、マスク、メガネ、手洗いなど基本の衛生管理も含みます。

たった4ヶ月の短期間でいろいろなことがみえてきました。ウイルスの変異のスピードと人間の頭脳とのせめぎ合いで予断を許さない状況ではありますが、収束に希望の光が差し始めていると思います。

参考文献

https://doi.org/10.1016/j.resp.2020.103443
ボリビア、エクアドルの例、高緯度の住人はコロナ悪化しにくい。この考察はCOVID19の病態のヒントになります。

https://doi.org/10.1016/j.htct.2020.03.001
重症例とHb低下相関性あり。2020/4/2

https://www.cmaj.ca/content/cmaj/early/2020/05/01/cmaj.200685.full.pdf凝固傾向が相関性あり 20-55%のコロナ入院患者凝固傾向。コロナICU患者の25%は静脈血栓。凝固リスクのため、大量出血以外の患者には輸血しないこと。2020/5/1

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32220112
COVID19患者に抗血栓治療をして死亡率が下がるという報告2020/5

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4182877/
クロロキンの細胞内への亜鉛シャトル作用 2014/1

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7102583/
メラトニンをCOVID19のアジュバント治療に、という提唱。メラトニンがサイトカインストーム対策になると示唆。免疫調整とパニックや不安、ストレス管理をしながら、サイトカイン対策とまとめている論文。2020/3/23  

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/rmv.2109
メラトニンのCOVID19やインフルエンザなどほかのウイルスに対する作用機序のまとめ。2020/4/23

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7192107/
イベルメクチンとジスロマック併用治療推奨 2020/4/30

https://s3-eu-west-1.amazonaws.com/itempdf74155353254prod/11938173/COVID-19_Attacks_the_1-Beta_Chain_of_Hemoglobin_and_Captures_the_Porphyrin_to_Inhibit_Human_Heme_Metabolism_v8.pdf
新型コロナはヘモグロビンの1-ベータチェーンを壊すからヘモグロビン代謝が異常になるという発表。2020/3/5

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