酸化療法とは

酸化療法は、適度の酸化ストレスの刺激を体の組織に与えることにより、からだに備わっている有益な機能を刺激し高める治療法です。
適切に酸化の負荷量をコントロールし、元々の能力以上の抗酸化力や免疫力を引き出し、健康増進、免疫向上、組織修復、病気改善、アンチエイジング、抗感染、抗腫瘍など多様な効果をもたらします。

当院で行なっている酸化療法

血液バイオフォトセラピー(UVBI)

紫外線C波を血液に照射する治療です。血中の酸素分子が励起状態、つまり通常の三重項酸素から一重項酸素になる酸化が起こり、抗酸化作用を刺激し免疫系を活性化します。紫外線による一重項酸素は皮膚にとっては有害ですが、一定量血液中で発生させた場合はより高い抗酸化能を引き出し有益な作用をもたらします。紫外線C波は血液と反応し、過酸化水素(H2O2)を発生させ、細菌、ウイルス、がん細胞を破壊する効果があります。有機化合物や生物的毒素の代謝、その他有害化学物質の解毒も促進します。組織中に蓄積している有害物質を細胞内から外へ、そして体外へ動員します。全身の多くの疾患に適応がありますが、特に感染症、疲労、ぜんそく、頭痛によいです。

ダイナミックフォトセラピー

酸化療法の代表のオゾン療法(大量自家血オゾン療法)と血液バイオフォトセラピーを組み合わせ、同時に施行する治療法です。それぞれの特性を高め合い、相乗効果と継続効果をもたらす最強の組み合わせです。
オゾン療法のみの治療、UVBIのみの治療、ダイナミックバイオフォトセラピー3種類の治療効果の比較研究の報告があります。ダイナミックバイオフォトセラピーがすべての指標において最大効果でした。

オゾン注腸(オゾンの腸内洗浄)

オゾン治療というと点滴や注射を主に指しますが、腸から治すオゾン注腸という治療法もあります。
オゾンを直腸から注入投与し、腸内にオゾンガスをまんべんなく行き渡らせます。腸内を空にするために物理的に水で洗い流す腸内洗浄とは似て非なる治療法です。オゾン注腸は、オゾンと腸管内のさまざまな生体分子と反応しやすい特性を活かした治療法です。腸内に入ったオゾンは即座に多価脂肪酸と反応し、活性酸素種や過酸化脂質代謝産物を産生します。これらの活性物質が腸の粘膜筋板から体内へ侵入し、リンパと毛細血管網を経由して全身循環内に入ります。腸管の粘膜には全身の免疫系細胞の大半が位置します。オゾン注腸治療は腸管にある免疫細胞のTh2タイプの反応を誘導し、抗炎症反応や免疫担当細胞の活性を促します。
オゾンが腸内に直接届くため、オゾン特有の抗病原体作用と腸管粘膜修復の促進効果で腸内腐敗やリーキーガット(腸管漏洩症候群)改善が可能になります。たとえば、腸内腐敗菌や腸内の過剰なカビ感染や大腸憩室炎のマネージメントに有効です。
一般の腸内洗浄のように長い大腸ファイバーを用いるのではなく、肛門の先5cm程度の柔らかい細いチューブを挿入しますので、安全で痛みがありません。他の酸化療法のように血管に針を刺さない為、幼児や高齢者や出血傾向など血液関連の病気の方も治療を受けることができます。

高濃度ビタミンC療法

抗酸化剤であるビタミンCを大量に点滴(静脈に直接注射する)をすると、血液中の組織と反応しアスコルビン酸ラジカルと過酸化水素が発生します。高濃度ビタミンC療法は抗がん効果として注目されています。がん細胞は正常細胞と異なり、活性酸素を中和するカタラーゼやペルオキシダーゼといった抗酸化酵素が不足しています。そのため、高濃度ビタミンC療法ではがん細胞のみ破壊されます。
ビタミンCは内服できるサプリメントが存在しますが、点滴による摂取法と作用が全く異なります。サプリメントの場合はからだの恒常性を保つはたらきのせいでビタミンC濃度をどんなにたくさん摂取してもほとんどが尿に排泄されてしまいます。ですから血液中に大量のビタミンCが流れることもなく、酸化ストレスが起こりません。高濃度ビタミンCはノーベル化学賞と平和賞受賞のポーリング博士が提唱した治療法で、米国では安全な抗がん治療法として多くの医療機関で急速に普及しています。10年弱と比較的新しい治療のため、現在日本ではようやく大学病院でがんに対する治験がはじまったところですが、代替医療や先端治療を施す医療機関は、欧米の研究結果や実績を元に日常的に高濃度ビタミンC療法を抗がん対策(予防と治療)に取り入れています。
また、高濃度ビタミンC療法は皮膚のコラーゲン生成や美白効果に優れているため、肌のアンチエイジング効果をもたらします。

からだの酸化とは

からだの酸化とは、からだがサビることです。酸化は健康を損ね、老化を早め、生活習慣病やガンなどさまざまな病気に発展します。
けれども、からだには抗酸化作用という酸化を食い止める機能が備わっています。酸化の反応が起こると直ちに抗酸化機能が起動し、活性酸素(=酸化を進める物質)を消火する仕組みです。

ただし、この抗酸化力は無限大ではなく、年齢とともに弱まったり、活性酸素が多すぎたり長引くと、消火しきれなくなります。テクノロジーの発展、情報社会、睡眠不足、複雑な人間関係、欧米化生活習慣、粉塵、おびただしい環境化学物質の充満する環境、これらはからだに活性酸素を発生させる要因です。ですから現代社会のなかでストレスにさられ、年を日々重ねる以上は、抗酸化力を高めるよう努めることが大切です。

抗酸化作用を持つ果物や野菜をたくさん摂取することもおすすめですが力不足のこともあります。いったんからだの酸化が進み、ひずみが起こると、強いちからでくつがえす手段が必要です。特に酸化をきっかけにからだのさまざまな機能が損なわれ慢性化してしまった場合や、アンチエイジングをも実現するためには、酸化療法が解決の手段になるでしょう。酸化療法は、より高次の抗酸化作用、細胞再生、代謝促進、解毒促進を起こし、また前述の、抗酸化のビタミンなどでは到底及ばない、強力な抗酸化作用を分子レベルにもたらします。酸化療法の際のダイナミックな反応では、幹細胞の刺激、組織修復を促す物質や抗炎症効果をもたらす物質、解毒代謝を促進する物質も産生され、また、体内の微生物群のバランスもとり、治療で改善した抗酸化力や免疫力は治療後も持続します。酸化療法は、マルチコンプレックスな現代病を救う治療法です。

最適健康を望む方のために、酸化療法を治療の一環として活用しています。慢性的な体調不良、早期老化のお悩みのある場合は、原因を特定し対策をとった上でオゾン療法などの酸化療法を行うことが多いです。酸化療法の強力な抗酸化効果・細胞修復効果・免疫調整効果を利用します。天然ホルモン補充療法、腸内免疫改善、有害物質の解毒などを併用して治療を進行することもあります。

酸化療法は、多角的な作用機序によって抗老化、健康促進、疾病の克服を可能にします。

  • 病原体(真菌、ウィルス、細菌、腸内腐敗菌など)の制圧
  • がん細胞成長の抑制
  • 有機溶剤、揮発性有機化合物その他の有害化学物質の解毒
  • 悪性腫瘍への血管新生抑制(がん細胞成長阻止効果)
  • スーパー赤血球の産生(酸素運搬能上昇しかつ長寿化したパワーに満ちた赤血球)
  • インターフェロン、TNF(腫瘍壊死因子)、TGF-β、各種インターロイキン、プロスタサイクリン、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などの抗炎症性、抗腫瘍性のサイトカインを産生
  • ミトコンドリアの修復とクエン酸回路の活性化(ミトコンドリア内のメインの反応で、エネルギー産生が行われる)
  • 赤血球と組織の酸素運搬能増加
  • 幹細胞の刺激
  • 血小板凝集抑制→血液サラサラ効果
  • 血液循環促進(全身の血液を末端の細い血管まで行き渡らせる、血流改善)
  • 創傷治癒促進
  • 体内の酵素化向上
  • 活性酸素、フリーラジカル抑制
  • 代謝促進、エネルギー産生促進

酸化療法の効果的な適応例

  • 片頭痛・めまい
  • 認知症・アルツハイマー病
  • パーキンソン病
  • 線維筋痛症・慢性疲労症候群
  • リウマチ
  • 橋本病
  • その他の膠原病
  • 喘息・肺気腫・気管支炎・肺炎・COPD・咽頭扁桃炎
  • 敗血症
  • 癌・白血病
  • 糖尿病
  • 黄斑変性症
  • 下肢静脈瘤・血栓性静脈炎
  • 動脈硬化
  • 脳梗塞・心筋梗塞の後遺症
  • ベル麻痺
  • 末梢神経障害
  • MRSAなど耐性菌の抗菌
  • 帯状疱疹・ヘルペスなどのウイルス感染
  • アトピー性皮膚炎・乾癬
  • 皮膚膿瘍
  • 貧血
  • 婦人科系腫瘍・月経困難症・更年期症候群
  • 不妊症
  • 美白・肌質改善
  • アンチエイジング

上記のように、酸化療法は安全で副作用がほぼないにもかかわらず効果的な治療です。ぜひ当院でご自身に最適な治療プロトコールをご相談ください。酸化療法の有益性を最大限に引き出し、健康を上げる最善の治療プランをカスタムメードでご提案いたします。

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