
リーキーガット
リーキーガットはleaky gutのカタカナ表記です。腸管がバリア機能が弱くなり、腸がもれもれになっている腸管透過性亢進の状態を総称した腸管漏洩症候群のことです。
腸は食べ物からの栄養素を吸収する場です。腸の表面は非常に細かいヒダがあり細かく波打っているつくりになっています。細かいヒダのおかげで平面よりもはるかに表面積が大きくなり、ヒダを平坦に広げるとしたらテニスコート一面くらいほどの大きさにもなります。食事からの栄養素をわたしたちはテニスコート一面分もの広さの腸の粘膜から効率よく吸収する仕組みがあるのです。
栄養素を腸から吸収する方法については、腸の壁に特殊な自動扉のような門があります。からだに取り入れたい栄養素に対してだけ開く扉です。栄養素が体側に吸収された後はまた自動的に門が閉まります。からだに有害なもの、不要なものは遮断する選択的な門です。有害物質やバイ菌、ウイルスなどの病原体がからだに侵入したくても、この腸の壁に存在する特殊な門が開いてくれないので、排泄されたり代謝されてからだの外に出て行きます。この便利な自動開閉可能な門のことをtight junction (タイトジャンクション)といいます。
ところが、もしも長期間腸に負担をかけたり、腸の慢性的な病気をわずらうと、腸壁に存在する自動扉ごと破壊されてしまいます。扉どころか、その一帯の構造が壊滅状態なので、有害物質や感染源や未消化の食品まで通常は通り抜けることができなかった大きな物体まで体内に侵入できてしまいます。
このような腸壁の構造がこわれた状態をリーキーガットといいます。 未消化の食品でも毒でもなんでも腸から体内の深部へ侵入して血液循環のながれに乗って全身をかけめぐることができてしまうのが、リーキーガットの行く末です。
血液は全身に流れているので、リーキーガットは腸と物理的に離れた場所の不調や腸と関係なさそうな症状も引き起こします。たとえば顔のニキビや、うつ症状や疲労感です。
リーキーガットを疑う8のサイン
自分がリーキーガットかどうか疑う方法があります。 下記簡略化しましたので参考になさってください。 当てはまるものが多いほどリーキーガットの可能性があります。
- お腹の症状
(下痢、膨満感、胃もたれ、便秘、腹痛、過敏性腸症候群、口臭、口内炎) - アレルギー
フードアレルギー、乳糖不耐症、セリアック病、花粉症、喘息) - 脳の症状
(頭痛、ものわすれ、頭重感、情緒不安、不眠、ADHD) - 皮膚のトラブル
(にきび、アトピー、じんましん、赤ら顔、慢性のかゆみなど) - 月経異常
(月経不順、月経痛、PMS、PCOS、子宮内膜症) - 自己免疫疾患
(橋本病、甲状腺機能異常、リウマチ、ループス、クローン病、強皮症、皮膚筋炎、乾癬など) - 慢性疲労、副腎疲労
- むくみ
(顔、フェイスライン、下半身)
なぜリーキーガットになるのか?
リーキーガットには対症療法ではなく原因治療を!
リーキーガットは必ず原因があって発症します。一度だけの出来事がきっかけでリーキーガットになることはありません。
腸にダメージを与える因子がくすぶったり繰り返されたなか、腸の機能が弱っているところに、何らかのきっかけでリーキーガットを発症する流れが主です。または、腸にダメージを与えるような食行動が長年続き、ついに腸の構造が破壊される、限界に達してしまった状態ともいえるでしょう。
リーキーガットの治療法には、パッケージ化した治療はありません。後に述べるような、4R治療という枠組みを利用し、1に原因2に原因と、リーキーガットを引き起こすに至った原因をひたすら治すことにつきます。
ひとりひとりのライフスタイル、病歴、投薬歴、環境、発症の時期など千差万別ですので、個別に原因を追究します。食生活、過去の治療歴、投薬歴、有害物質への暴露が関与します。人生のなかで、自分の腸がどんな物質に触れてきたか、がリーキーガットの発症を決定するのです。
古来から食べ物はからだの一部、医食同源、’You are what you eat’といわれてきました。しかし、現代人は日常的に、残留農薬、環境ホルモン、遺伝子組み換え食品、食肉に残留した抗生物質や、さまざまな添加物、香料、甘味料、マイクロプラスチックなどの不要で害悪でしかない物質まで食べています。腸壁が最初に砦となって、のみこんでしまった有害物質をわたしたちのからだに入れさせまいと頑張ってくれてはいます。
しかし中には腸がすでに悲鳴をあげて腸壁に炎症が起きている方がいます。残念ながらほとんどの方は気づいていません。
胃腸の具合が悪い人は、制酸剤や胃粘膜保護剤などの胃薬を飲んだり、胃もたれはするものだと慣れてしまったり、いざ検査に臨んでも胃カメラや大腸ファイバーで異常なしと言われることもあるからです。(リーキーガットはミクロの世界です。目視では確認できません)実際は、腸壁に炎症が起こり、腸内免疫がからんだ遅延型食事アレルギーの数は年々増えています。
腸の慢性炎症、遅延型アレルギー、腸内腐敗が起こっていると、腸壁はぼろぼろです。毒や病原体や消化されてない食品ばかり我先にからだのなかに入ってきます。 腸がリーキーガットの状態の場合、食べたものを消化して吸収する力に欠けています。異物である食品がからだのなかに取り込まれるたび、つまり腸に届くたびに、リーキーガットの腸には負担になるのです。
腸では処理しきれない食べ物が炎症を起こします。リーキーガットの腸の構造では、その炎症性物質が体内に入りやすくなります。また、消化しきれてない食品ももろくなった構造の腸壁から体内に入ります。
リーキーガットを治さないまま、食べ物について議論するのは非効率です。せっかくのからだによさそうな食品も体の一部にならないどころか、逆に炎症のスイッチを押してしまうことになるのです。
食事は健康の基本です。ウェルネスクリニック神楽坂では、医食同源の本質に迫り、リーキーガットを改善します。
食べ物を選ぶところがゴールになるのではなく、食物がどんな種子から、どのような収穫をされ、どれほどの距離を移動し、店頭でどんな状態で売られているか、調理法は、食べ方は、時間帯は、口に入れるまでも考えます。
そして、食べ物が消化されてからだに吸収されて、栄養素が全身の細胞に行き届いているか、エネルギー産生の源である、ミトコンドリアという分子レベルの代謝に配慮します。「食べながら健康になる」ことを可能にするために順序立てて治療計画を立てます。
リーキーガットとは、本来からだを守るために存在する腸壁が長い年月をかけてダメージを受けてきた結果、起こった状態です。
複雑な病因や、病態を悪化させた別の因子や、かくれた大元の原因や、時間軸との絡みと、個人の体質すべて考慮しながら治療するのが理にかなっていると思いませんか。
SIBO
SIBOとは small intestine bacterial overgrowthの略で、小腸細菌異常増殖症です。
小腸はもともと腸内細菌が少ないところです。胃から離れるにつれ腸内細菌量が増えますので、大腸内が最も腸内細菌が多いです。 本来の小腸内の腸内細菌叢が異常になると、腹部膨満感や腹痛、下痢便秘、異常なガス発生などが起こります。小腸は胃カメラが届きにくいので、SIBOは診断がつけにくく、過敏性腸症候群と間違えられることもあります。
SIBO発症の主な原因は消化管が動きにくいこと、また消化力が弱い、または消化しにくい食品摂取です。
以下のようなリスク因子や基礎疾患があるとSIBOになりやすい、もしくは、すでにSIBOです。 該当するものがありますか?
- 胃酸を抑える薬を飲んでいる。例:タケプロン®️、 ガスター®️
- ステロイド、抗生物質、ピルいずれかを長期間飲んだことがある。
- 遅延型フードアレルギー(遅延型食事アレルギー)がある。
- 食事アレルギーがある、とくにヒスタミンが多い食品。
- 小麦をよく摂る。
- リーキーガットがある。
- 過敏性腸症候群がある。または疑い。
- 酒さ、赤ら顔、アトピー、慢性じんましん。
- 慢性疲労症候群、線維筋痛症
- 糖尿病
- 皮膚筋炎
- クローン病、潰瘍性大腸炎
- 大腸憩室
- 橋本病、甲状腺機能低下症、そのほかの自己免疫疾患
- パーキンソン病
- うつ病
- 不眠症
SIFO
ウェルネスクリニック神楽坂では、SIBOと名前が似た、SIFOの診断と治療も行います。SIFOは小腸内にカビの菌(カンジダ菌)が異常増殖した病的な状態です。 small intestine fungal overgrowthを略してSIFO、訳すと小腸真菌異常増殖症です。
下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感、食後の眠気、胃もたれなど様々な胃腸の症状が起こります。SIBO(小腸細菌異常増殖症)、IBS(過敏性腸症候群)、dysbiosis(腸内細菌叢のバランスが崩れた状態、腸内腐敗)、IBD(炎症性腸疾患)、機能性ディスペプシア(胃カメラでは異常が見つからない機能的な消化不良)に合併していることがあります。
消化器以外にも全身の不調に関係することも多いことが特徴です。
慢性疲労、めまい、頭痛、不眠、アレルギー、じんましん、自己免疫疾患、甲状腺機能低下症などが一例です。
腸内腐敗
腸内腐敗は主に大腸内の問題を指します。 大腸内には100兆個近くの腸内細菌が存在しています。善玉菌と悪玉菌とが一定のバランスを保って腸内細菌叢を構成します。
バランスのとれた腸内細菌叢のおかげで、腸内では消化機能を助けたり、腸内免疫を維持しているのですが、絶妙なバランスが崩れ悪玉菌が優勢になってしまい腸内に文字通り腐ったガスが大量に発生した状態が「腸内腐敗」です。
腸内腐敗に陥る原因は上記のSIBOのリスク因子と同じです。さらにいくつかのリスク因子があります。
- 暴飲暴食
- 抗生物質の摂りすぎ
- 抗生物質使用の食肉の食べ過ぎ
- 痛み止め、非ステロイド系抗炎症、解熱鎮痛剤(NSAIDS)の乱用
- アマルガム(銀歯)
- ステロイド(全身投与)の長期使用
- がん治療(放射線またはケモセラピー)
腸内腐敗はなぜ治すべきなのか?
なぜならば、腸の問題以外に全身にも影響を及ぼすからです。 たとえば以下の疾患です。
- 自己免疫疾患(リウマチ、甲状腺機能異常など)
- 過敏性腸症候群
- 糖尿病
- 肥満、メタボリック症候群
- アトピー性疾患、にきび、赤ら顔、慢性じんましん
- 逆流性食道炎
- ディスペプシア
- 不眠症
- 片頭痛(偏頭痛)
腸内腐敗に気づかなかった場合、上記の疾患の根本的な改善が図れないことが往々にしてある、とも言えます。
<腸内免疫を改善する方法>4R治療
腸・消化機能を改善するためには、腸の4R法という治療法を利用します。
リーキーガット、腸内腐敗、イーストシンドローム、SIBO、IBS、ディスペプシア、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性便秘症、逆流性食道炎、大腸憩室炎、大腸ポリープなど、さまざまな消化管の病気によいです。
最終ゴールは腸内免疫を改善することですので、免疫系の疾患対策の際も、4R法を意識します。たとえば、橋本病やリウマチなどの自己免疫疾患やガン予防の対策にも取り入れることができます。腸脳循環の仕組みも近年解明されています。腸内免疫、腸内環境のバランスが脳の病気の改善に寄与します。**1
4つのRで始める戦略で成り立ち、1から順に進めます。
Remove
Replace
Rebalance
Repair
5番目のRは上記に加え、Relaxです。
それぞれをブリーフィングしますと
⇩
1-Removeは、胃腸に不要な物質を取り除くことです。
たとえば、感染源、アレルギー、有害物質、薬剤がここに該当し、取り除くべきものです。
2-Replaceは、足りないものを補うことです。 主に胃の強酸の環境、消化酵素など、消化活動に備えておきたいものを備えるということです。
3-Rebalanceは、腸内細菌叢のバランスをとることです。
近年人間と関わる体内の微生物群、マイクロバイオーム**2~4の重要性が取りざたされるようになってきました。一人のヒトが持つマイクロバイオーム全体は100兆個の菌で構成され1−2kgものボリュームになります。
そのほとんど全てが大腸内に集中しています。90兆個強の腸内細菌を善玉菌と悪玉菌とでバランスのよい状態にします。
4-Repairは、腸の壁を修復する作業です。
リーキーガットは腸の内壁にあるタイトジャンクションという扉が破壊した状態です。腸の壁を修復して、タイトジャンクションを正常な状態に戻し、腸の壁に埋め込まれている大量の免疫細胞も復活させることができます。
5-relax 腸の組織が治るのは、心身リラックスして休息している睡眠中です。
リラックスしていると、腸の血行がよくなり細胞内のミトコンドリアが活性化し組織の治癒が進みます。ストレス過多、睡眠不足が続くと4R法を順ぐりにたどっても最大効果が得られません。
上記1Rから4Rまで患者さん毎に問題が異なりますので、どこにどのような問題があるのかを明らかにしてから治療します。
腸と脳の密接な関係、リーキーブレイン
腸は第2の脳と言われ、腸脳相関の概念もだいぶ知られるようになりました。簡潔にするため、腸と脳の重要性の根拠を2点挙げます。
1点はセロトニンという神経伝達物質のレセプターの大半は腸壁に存在するということです。
2点目はからだのなかに有害物質を入れないようにバリアの働きをする腸の粘膜に相当する、脳を外敵から守るバリア構造です。腸の粘膜構造に似た「血液脳関門という膜」が脳を覆っています。腸の問題があれば、脳に影響を及ぼします。血液脳関門の表面には腸壁の微絨毛(びじゅうもう)、細かいヒダはありません。それ以外は仕組みと構造と目的は同じです。
脳の問題があればまず腸を見直せ、とも言えます。**1 脳のバリア機能、血液脳関門がダメージを受けた状態をリーキーブレインという呼び方をすることがあります。
腸と脳は機能的に相互作用を起こすので、リーキーガットがあればリーキーブレインも起こっていることが多々あります。
**腸内免疫の治療の参考文献
Jessica D Forbes et.al, A Fungal World:Could the Gut Mycobiome Be Involved in Neurological Disease?’ Front Microbial.2018;9:3249
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30687254/
Sunil Thomas et.al. ‘The Host Microbiome Regulates and Maintains Human Health; A Primer and Perspective for Non-microbiologists’ Cancer Res. 2007 Apr15;77(8):1783-1812 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5392374/#
Abedellatiif AM et.al. ‘Current Understanding of the role of gut dysbiosis and type 1 diabetes.’ J Diabetes 2019 Mar13 doi: 10.1111/1753-0407.12915. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30864231
Andrew.B.Shreiner ‘The gut microbiome in health and in disease’ Curr Opin gastroenterol. 2015Jan;31(1):69-75
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4290017/
SIBOとSIFOのよくある質問
Q1. SIBOとは何ですか?
SIBOは、本来きれいなはずの小腸で細菌が増えすぎる状態です。お腹の張り、ガス、腹痛、下痢や便秘、吐き気などの原因になります。
SIBO 小腸細菌異常増殖症は small intestine bacterial overgrowthの略です。
Q2. SIFOとは何ですか?
SIFOは、小腸で真菌(カビ・カンジダなど)が増えすぎる状態です。SIBOと同時に起きることも珍しくありません。
SIFO 小腸真菌異常増殖症は small intestine fungal overgrowthの略です。
Q3. SIBOとSIFOはどう違いますか?
SIBOは「細菌」、SIFOは「真菌」が主役です。SIFOは、ブレインフォグやめまい、不眠など“頭の症状”を伴いやすい傾向があります。
Q4. IBS(過敏性腸症候群)と言われました。SIBOと関係ありますか?
IBSは腹部膨満感、腹痛、便秘、下痢などを繰り返すのに、一般的な検査で異常が見つからず原因不明とされる病気です。SIBOやSIFOを見落とされ、IBSという名の下に隠れていることがしばしばあります。
Q5. お腹以外の症状(疲労、肌荒れ、頭のもやもや)も関係しますか?
関係することがあります。SIBO/SIFOは腸だけでなく、栄養吸収、免疫、炎症、神経の調子に影響し、全身症状につながることがあります。
Q6. なぜSIBO/SIFOになりますか?(よくある原因は?)
腸の動きが弱い、消化力が落ちて未消化が残る、胃酸や胆汁の働きが弱い、などが重なって起きます。薬剤(制酸剤、抗菌薬、鎮痛剤、免疫抑制剤、ステロイド等)、感染、環境要因(例えば部屋のカビ)や重金属などが関係することもあります。
Q7. 低FODMAPを続ければ治りますか?
一時的に楽になることはありますが、根本治療ではありません。自己流で長期に続けると栄養不足や便秘のリスクがあります。Fodmapの食材を避けるということは、これ以上お腹にガスを発生しにくくする、ということです。それ以上でもそれ以下でもありません。ウェルネスクリニック神楽坂では大元の原因にアプローチして個別に調整します。
Q8. 低FODMAPをやっても改善しないのはなぜ?
SIFO、カビ暴露、感染、薬剤影響、消化機能低下など、別の原因が関わっている可能性があります。なぜ消化できないのか、何が消化の力を弱めているのか、何が腸の動きを阻むのか、何が腸内免疫を破壊したのか、なぜリーキーガットの状態にまで発展してしまったのか、などSIBOの発症の経緯を考え、本質的な治療をにしないと再燃します。
Q9. 呼気検査(ブレステスト)は必要ですか?
呼気検査は選択肢の一つですが、費用や精度、得られる情報量はケースによります。ウェルネスクリニック神楽坂では、治療につながる情報が多い検査や背景評価を優先して組み立てます。
Q10. ウェルネスクリニック神楽坂では、どんな流れで治療を考えますか?
腸の治療は小腸の過剰な菌を殺すという手法ではなく、事前に腸の動き、自律神経の作用、腸粘膜の構造、消化機能など、見るべき機能が数多くあります。食事・消化・遅延性食物アレルギー・リーキーガットの破綻度・慢性炎症・環境要因・腸内の感染および腸の外の感染(全身や腸の外の感染であっても腸の健康に影響を与えるもの)などを全体で見て、段階的に計画を立てます。
Q11. 抗菌薬(リファキシミン等)だけで治りますか?
リファキシミンはSIBOの症状を軽減させる薬として知られています。しかし、薬でガスを一時的に減らしても、SIBO発症の原因因子に対応していない場合、再発します。小腸のガスがある日突然理由もなく過剰に増えることはありません。気づいた時にはガスが多くてお腹が苦しくなっていたという方でも、それ以前に静かに病状が進行し、小腸でガスを対処できない状態になっているはずです。その背景は個体差がありますので、ウェルネスクリニック神楽坂ではお一人ずつの経緯を分析し現状把握と徹底的な原因追求をして抜本的にお腹の不快を解決します。
Q12. 再発しやすいのは本当ですか?
はい。腸の動き、消化力、薬剤、感染、環境要因(カビ)などが残ると再発しやすいです。再発予防は「原因の特定と対策」が中心になります。
Q13. バイオフィルムは関係ありますか?
はい、関係することがあります。細菌や真菌はバイオフィルムという“バリア”を作り、治療が難しくなる要因になります。ウェルネスクリニック神楽坂では必要に応じて多角的に対策を組み合わせます。
Q14. 部屋のカビ(環境カビ)やカビ毒は、腸の不調と関係ありますか?
大いに関係します。室内のカビは腸内環境を乱し、SIBO/SIFO、リーキーガット、疲労や不眠などにつながることがあります。体内のカンジダと環境カビは菌として別物です。例えば順にアスペルギルスとカンジダ菌です。しかし体の中では相互補完作用があります。
Q15. ライム病、バルトネラ症、バベシアなどの慢性感染症は、腸と関係しますか?
関係することが多いです。慢性の感染は免疫や炎症の状態に影響し、腸内環境の乱れ(ディスバイオーシス)やSIBO/SIFOが絡むケースがあります。腸だけを見ても改善しにくい時は、背景の感染・炎症も含めて検討します。例えば消化管カンジダ症や胃のピロリ菌など、ライム病との混合感染の代表例です。
Q16. 受診を急いだほうがよい症状はありますか?
次の症状がある場合は、早めの受診をご検討ください。
- 強い腹痛が繰り返す
- 嘔吐が続く
- 血便、黒色便、吐血
- 急な体重減少、脱水
- 意識がぼんやりする、強いブレインフォグが続く
- 過敏症・MCAS(何にでも過敏に反応する病態、マスト細胞活性化症候群)
- ブレインフォグを伴う
- 微熱が続く、極端な倦怠感が悪化する
Q17. 便秘型SIBOと下痢型SIBOはありますか?
あります。菌の種類や発酵ガスのタイプ、胆汁・腸の動きの状態で、便秘寄り〜下痢寄りに分かれることがあります。または繰り返し交互のパターンもあります。
Q18. 胃酸が少ないとSIBO/SIFOになりやすいですか?
はい。胃酸は「防御」と「消化」の両方に重要な役割を持っています。胃酸が少ないと、食べ物が十分に消化されないまま腸に届き、腸内で発酵や腐敗が起こりやすくなります。
その結果、小腸でガスが増え、腹部膨満感や不快感などSIBOの症状につながることがあります。また、そこで発生したガスや菌由来の毒素は体内で循環し、炎症を広げる要因になることもあります。
Q19. 胆汁や肝臓は腸と関係ありますか?(腸肝相関)
あります。胆汁は脂肪の消化だけでなく、腸内細菌のコントロールにも関わります。肝臓・胆汁の働きが弱いと、腸の不調が長引くことがあります。SIBOの過剰な菌が産生した菌毒素やリポ多糖類は肝臓での代謝に負担をかけます。
Q20. 「腸だけ治療」しても治らないことがあるのはなぜ?
SIBO/SIFOは“結果”のことが多いからです。腸の動き、消化、感染、カビ暴露、薬剤、重金属など背景が残ると、腸だけ対処しても再燃しやすいです。
Q21. 抗生物質を飲んだあとに悪化しました。関係ありますか?
関係することがあります。抗菌薬で腸内細菌のバランスが崩れ、真菌が増えやすくなることがあります(SIFOの引き金になることもあります)。
Q22. ステロイドや免疫抑制剤、ピルなどの薬も影響しますか?
影響することがあります。腸粘膜、免疫、腸内細菌のバランスに影響し、SIBO/SIFOが起きやすくなる要因になる場合があります。
Q23. 食後すぐ眠くなる、甘いものがやめられないのはSIFOと関係ありますか?
はい。真菌が増えると血糖の乱れや炎症を介して、食後の眠気、強い甘味欲求、ブレインフォグなどが出ることがあります。
Q24. 口臭や舌苔(ぜったい)が気になります。SIBO/SIFOと関係しますか?
はい。発酵ガス、胃酸低下、逆流症、真菌の増殖などが絡む場合があります。腸だけでなく消化全体の評価が大切です。
Q25. 「リーキーガット」はSIBO/SIFOと関係ありますか?
はい。関係しないわけがありません。重症な場合は両方の病態があります。SIBOまたはSIFOのせいでリーキーガットを発症することもあります。逆も然りです。腸粘膜が傷つくと炎症が続き、菌や真菌の増殖が長引きやすくなります。解決のためには原因因子の除去と個別の計画が必要です。
Q26. MCAS(マスト細胞活性化症候群)っぽい症状がある場合、腸は関係しますか?
関係することがあります。腸の炎症やカビ、感染、食品反応が重なると、ヒスタミン過敏や全身反応が強くなる場合があります。
Q27. 重金属(鉛・水銀など)や化学物質はSIBO/SIFOに関係しますか?
関係することがあります。解毒負担や粘膜ダメージ、免疫の偏りを介して、腸内環境が崩れやすくなることがあります。
Q28. 住環境のカビ対策をしないと治療は進みにくいですか?
住環境カビがある場合、治療が進みにくいことがあります。再燃を避けるために、症状と環境状況を合わせて評価します。
Q29. ライム病やバベシアの治療中でも、腸の治療は必要ですか?
必要になることが多いです。慢性感染の治療は体への負担も大きく、腸内環境が乱れると治療の継続が難しくなることがあります。そもそもライム病の病原菌は神経系に感染するので蠕動運動の異常が起こり、免疫低下を促すので腸内免疫にも影響が及びます。バベシアにもバベシア便秘という言葉があるように腸の動きが異常になります。腸・免疫・炎症・神経を全体で見て調整します。
Q30. SIBOは自然に治ることがありますか?
軽度の場合、一時的に症状が改善することはあります。しかし多くの場合、腸の動きの低下、消化機能の低下、感染、薬剤、環境要因など背景となる原因が残っているため、症状を繰り返すことがあります。
SIBOは「結果」として起こることが多いため、原因を評価し対処しない限り再燃しやすい病態です。
Q31. SIBOが自然に直らないのなら、治療を始めてからどれくらいの期間で良くなりますか?
個人差が大きいです。症状だけでなく混合感染の有無、種類・カビ曝露の有無、薬剤、消化機能、食事パターン、腸の動き、自己免疫疾患の有無、リーキーガットやリーキーブレインの有無、基礎疾患や合併症の有無、慢性の不調の期間等、さまざまな因子によって治療期間が異なります。クリニックでは再発予防まで見据えて進めます。
SIBOが腸の問題だけではないということ
SIBOやSIFOは、小腸の中で細菌や真菌が増えすぎる状態を指します。
しかし実際には、腸だけの問題として起きているとは限りません。
消化機能の低下、胃酸や胆汁の働き、腸の動き(蠕動運動)、腸粘膜の状態、免疫のバランス、感染症、環境要因など、複数の要因が重なって発症することが多いからです。
そのため、腸内の菌だけに注目した治療では改善が不十分だったり、再発を繰り返すことがあります。
ウェルネスクリニック神楽坂では、腸の状態だけでなく、消化機能、感染症、内毒素、環境要因、免疫や炎症などを含めて全体像を評価し、個々人の背景や原因に応じた治療計画を立てています。



