イーストシンドローム
真菌感染(代表的な真菌がカンジダ)が全身の体調不良や免疫低下、さまざまな慢性疾患に寄与する状態を総称して「イーストシンドローム」といいます。
真菌は、カンジダ以外にも、白癬、酵母菌、イースト菌も含みます。ほかにも赤カビ、黒カビも真菌の一種です。真菌は湿度が高く、暗く、暖かい環境を好むので人間の体内で育ちやすいです。
真菌が体内で増えすぎると、からだの抵抗力が落ちます。
すると、真菌がさらに増えてしまうという悪循環に陥ります。人間が食べる糖分や発酵食品は、体内のカビのエサになるので、食事によって体内のカビが育つこともあります。また、現代人は抗生物質を大量に摂取しているので、体内のマイクロバイオーム環境が影響を受けてカビが育ちやすい環境になっています。
体内カビ感染は現代人に蔓延しています。イーストシンドロームは、原因不明の不調に取り組むとき、主原因のひとつとなることがあります。
イーストシンドロームのよくある症状
カビの感染部位が全身なのか、呼吸器中心なのか、腸内が中心なのか、さらにカビの感染量などによって、症状には個人差があります。
カビの菌はもともと人間の体内にも存在する、常在菌です。普段はバランスよく他の体内の細菌と共存しているので何も悪さをしませんが、いったん病的な感染量にまで増えてしまうと、自然治癒はできません。
カビの菌が増えるほど、その人の身体の免疫力が失われ、すると一層カビの菌が増えやすくなり、底なし沼にずぶずぶ入ってしまうような状態になります。カビの感染量が大量になると、多くの方が疲労を自覚します。
カビ感染に関しては「たくさん寝たら回復するだろう」がほとんど意味をなしません。寝ても疲れがとれない、頭がクリアにならない、頭に霧、もやがかかったような感じ、食後眠くなる、頭痛などもしばしば伴います。
副腎疲労、慢性疲労症候群、この2つの疾患の症状と共通点があります。疾患名も、副腎疲労や慢性疲労症候群のほうが知名度が高く、しばしば検索されます。しかし、地味な病名、自分の症状と関係のなさそうな「カビ感染」(真菌、イーストシンドローム、酵母菌、カンジダ)は、あまり重視されていないのが現状です。イーストシンドロームが、自分に無縁と思ってしまうのも無理ないでしょう。
とはいえ、慢性の体調不良、とくに副腎疲労、慢性疲労症候群を疑うのであれば、イーストシンドロームに対処すること、少なくとも入口の段階でスクリーニングすることは必須です。
遅延型食事アレルギー検査を受託する医療機関は最近増えてきました。けれども、残念ながら他院でイーストシンドロームとの絡みを指摘されず、検査後治療効果が芳しくない方を見かけます。イーストシンドロームの治療を行えば、効率よく体調改善を図ることができます。
当院はイーストシンドロームが判明した方は、カビ菌の退治を安全に、全身の機能をサポートしながら行います。カビ感染が広がってしまった原因にも対処します。
以下あてはまるものが多ければイーストシンドロームを念頭において、一度ご相談ください。
- 疲れやすい、休んでも回復しにくい
- 腹部膨満感
- 食後眠くなる(とくに小麦粉や炭水化物、糖分)
- 腹痛
- 下痢、便秘
- げっぷ、その他の消化異常のサイン
- 逆流性食道炎
- ピロリ菌感染(混合感染のことがある)
- おならが臭い、ガスが多い
- 遅延型食事アレルギーがある
- リーキーガット(腸管漏洩症候群)
- 片頭痛
- めまい
- foggy brain
- 学習力低下
- 記憶力低下
- 集中力散漫、物事が頭に入ってこない、会話が成り立たない、考えがまとまらない、情緒不安、いらつく
- 頭に孫悟空の輪をはめられてきつく締められるような頭痛
- 不眠
- うつ症状
- 月経不順、月経痛、排卵障害、不妊、PMS(月経前症候群)
- 性欲低下
- 肌荒れ、にきび、赤ら顔、発疹、じんましん、乾癬、アトピー性湿疹、乾燥肌
- むくみやすい
- 糖分、甘いもの中毒
- ホルモンの異常(例:甲状腺、卵巣、精巣、副腎、膵臓(糖尿病)など)
- 関節痛、筋肉痛、筋力低下、関節の炎症
- ケミカル臭で気分が悪くなる(香水、柔軟剤、たばこなど)
- 繰り返すカンジダ性膣炎
- 尿路感染症
- 微熱を繰り返す
- カビ臭い部屋や湿った部屋で体調悪化
- 特定の食品を食べると症状が悪化する
- 膠原病、自己免疫疾患にかかっている
- 医者に以下のようなコメントをされたことがある。
- 「検査で異常を認めないので説明がつかないから治療法はない
- 「あなたの症状は精神的なもの」
- 「ストレスのせいかもしれません」
- 「更年期でしょう。」「老化現象でしょう」
- 「精神科に相談してみてください」
- 「全身の精密検査をもう一度大学病院で受けてください。(すでに検査をしたにもかかわらず)」
なぜ今イーストシンドローム(体内のカビ感染)が増えているのか?
リスク因子のまとめです
- 抗生物質の乱用
- 加工品、精製食品(パンやスイーツが好き、食事はほとんど加工品)
- 飲酒、暴飲暴食、寝る直前の食事
- 早食い
- 遅延型アレルギー、リーキーガット
- 肉食ブーム*
- 消化力低下(胃薬や下剤の乱用)
- 経口避妊薬長期投与
- ステロイドの全身投与歴
*抗生剤使用で早く家畜が育つので、その抗生剤が肉に残留している
die-off現象 ダイオフ現象
= 感染症治療初期に死滅した菌からの内毒素が放出されたせいで起こる、全身の不快な反応のこと
慢性の体内カビ感染や腸内腐敗の菌を薬で退治するとき、菌は内毒素(エンドトキシン)が放出して死滅します。このエンドトキシンは有害な有機化合物なので、急激に体内に洪水のようにあふれると、体は全身の不快な症状、たとえば腹痛、頭痛、倦怠感、眠気、吐き気、発熱、関節痛などの激しい症状が一時的に起こることがあります。